シンガポール移住と会社設立を実現するポイント

Establish a Company in Singapore

シンガポールへ移住するには、シンガポールで会社を設立して就労ビザを申請・取得するのが確実かつ近道です。シンガポール移住には複数の選択肢があると思われる方が多いのですが、会社員の海外駐在を除くと、取りうる選択肢は「会社設立」の一択です。本当に移住を実現させようとすると、実質的に他の選択肢がないともいえます。

ビザについては、自分が設立した会社に雇われる形で就労ビザ(EP)を申請します。シンガポールに住むためのビザは観光ビザとは全く別物で、給与面などの条件が厳しく、簡単に取得できるものではありません。 

その他にも、家族の帯同家族ビザ(DP)申請・取得や不動産交渉、子供の学校選び、保険など、シンガポール移住にあたって考えるべき事項は多くあります。日本とは常識が異なることも多いため、スムーズに手続きを進めにくいのです。

こうした準備面での難しさが多くあるシンガポール移住ですが、まずはやるべきことと注意点を押さえておくことが重要です。今回は、シンガポール移住にあたって、会社設立やビザ取得などの流れを詳しく説明します。

シンガポール移住のステップ

シンガポールへ移住するにあたっての流れは、以下の通りです。やるべきことが多く、子供の学校は入学タイミングが限られるので、移住までの期間は最低でも半年以上を見込んでおいたほうがよいでしょう。

    1. 会社設立
    2. 銀行口座開設
    3. 就労ビザ(EP)と帯同家族ビザ(DP)の申請・取得
    4. 住宅とオフィスの不動産探し、契約
    5. 子供の学校選び、入学手続き
    6. 保険選び、加入
    7. その他、生活を始めるにあたってのセットアップ

この一つひとつを外国人である日本人が行おうとすると、シンガポールでは外国人に対するビザの審査や各種申し込み手続きや銀行口座開設などの審査が厳しく、手続きは複雑になりやすい上、英語で進める必要があるため、負担の大きいタスクになります。費用もそれなりにかかることを見込んでおきましょう。

会社設立の基本的な流れ

シンガポール移住の最初の登竜門となる会社設立について、その流れと注意点を解説します。

シンガポールでの会社設立の基本的な流れ

シンガポールで会社を設立する際のルールや慣習は、日本とは異なる点も多いため、あらかじめ理解しておくと手続きをスムーズに進めやすくなります。

セクレタリー・ファームとの契約

会社設立にあたっては、会計・税務・法務の専門会社であるセクレタリー・ファームと契約し、各種手続きを進めます。セクレタリー・ファームとは、日本でいう「会計事務所と司法書士事務所がくっついた業態」です。当社もセクレタリー・ファームの一社であり、会計・税務・ビザ・会社登記・その他の会社運営に関わる一切合切をサービスとして提供しています。

セクレタリー・ファームを選ぶ際の必須条件は、ご自身が求めているソリューション(例えば会社設立やビザ、税務など)において、懸念がある分野の経験や知識が豊富であることです。加えて、セクレタリー・ファームとの付き合いは幅広いトピックに及び、かつ長期になるため、コミュニケーションがしやすいと感じる会社を選ぶことも重要と言えます。

企業名を決め、簡易チェックの後、仮登記する

希望する企業名をいくつか準備し、セクレタリー・ファーム側で取れそうな社名を簡易チェックします。審査上問題なさそうな社名を決めたらACRA(Accounting & Corporate Regulatory Authority:企業会計庁。日本の法務局にあたる)へ登記し、会社設立まで仮確保します。

登記住所の準備

会社の住所はシンガポール国内になければなりません。ただし、会社設立直後はコストを抑えるために会計事務所などから登記住所を借り、郵便物の受け取りも代行してもらうケースが多くあります。

実際にシンガポールで物理的に事業を営むようになり、従業員の雇用などを進める場合に、オフィスが必要になることが多いようです。それまでの間は上記のような登記住所サービスを使って登記簿上の会社住所だけとし、無駄なコストがかからないようにされている方がほとんどです。

事業内容を決め、SSICを選ぶ

設立した会社で行う事業内容を決め、SSICという産業種別コードを選びます。補助金申請における産業判定などにも使われるので、まずは実態に近いものを選びましょう。

資本金、株主、取締役の選定をする

資本金は1ドルでも設立は可能です。ただし、銀行口座の開設や諸々の審査においても「まともな会社」と認識されるには、最低でも3〜5万SGD(約300〜500万円)を設定することをおすすめします。株主は最低1人(個人・法人いずれも可)いれば構いません。株主、取締役はともに外国人でも可能です。 

重要な要件の一つに、現地取締役1名が常時いることがあります。会社設立時に現地取締役とみなされうるのは、シンガポールに住所のあるシンガポール人または永住権保有者のみです。 

日本人が会社を設立しようとすると、現地取締役を見つけることが難しいため、こうした現地取締役をサービスとして提供するセクレタリー・ファームと契約することが可能です。

各種書類を準備し、ACRAへ法人登記する

上記の概要が決まったら、書類の準備を始めます。書類作成とサイン、全株主と取締役のパスポートコピーや住民票や、そうした書類への有資格者の認証追加などがあり、2〜3週間の準備期間はかかると見込んでおくとよいでしょう。

ここまでの手続きを終えるのに1か月程度かかることが多いので、時間に余裕をもって進めることをおすすめします。

登記終了後に行うこと

法人登記が終わっても、行うべきことが残っています。特に銀行口座開設は、難関となる手続きのひとつです。

会社設立取締役会の開催

初回の取締役会を開き、会社の詳細確認、取締役やカンパニー・セクレタリー(会社秘書役)の選任などを決議します。通常は取締役会議事録はセクレタリー・ファームが作成し、取締役決議をその書面上で済ませます。

新設会社の法人口座開設

シンガポールでは銀行での法人口座開設の審査が年々厳しくなっています。特に外国人である日本人が所有・管理している会社となると、銀行はいつも以上に入念に審査し、本当に口座を提供してよいのかシビアな判断をします。日本人が日本で口座開設をするのとは全く違うレベルの難しさなので、十分な準備と適切な対応をしていく必要があります。

ただ、日本人がシンガポールに来た直後にこうした銀行の状況を踏まえた対応はできるはずもないため、実際は、多くのセクレタリー・ファームや弁護士事務所が法人銀行口座の開設をサポートしています。こうした専門家を経由して銀行を紹介してもらい、口座開設へと進むのが一般的な流れです。セクレタリー・ファームが銀行との付き合いがあり、銀行内部の状況をどれだけ把握しているかにより、準備や書類作成、審査対応のスムーズさが大きく異なるため、知識や経験のある専門家と付き合いをするのは銀行口座の開設・維持においても重要になります。

事務的な手続きとしては、会社の諸々の情報や、個人(株主・取締役全員)のパスポートや住所証明といった個人情報、事業に関する情報など多くの情報を提出します。また、会社の重要人物(支配株主や取締役)は、必ずシンガポールの銀行へ足を運んで手続きをするよう求められます。

法人口座開設までには早くて2〜3週間、込み入ったケースだと3〜4か月かかることも珍しくありません。

資本金の払い込み

開設した法人口座へ資本金を振り込みます。シンガポールでは資本金は会社設立後に振り込む形となるため、口座が開設できたらできるだけ早急に振り込みが必要です。本来、登記簿に記載されている資本金が会社名義になっていないこと自体が法律上グレーな状況にあるため、即日での入金が望ましいといえます。

シンガポールで法人を設立する基本要件

シンガポールで会社設立をするにあたっては、日本とは異なる点が多々あるので、理解しておく必要があります。基本要件は、以下の6つです。

    1. 取締役の任命:最低限1名+現地取締役1名が必要です。日本人が会社設立する場合、日本人取締役+現地取締役の体制が基本となります
    2. カンパニーセクレタリーの任命:セクレタリー・ファームで任命します
    3. 1SGD以上の資本金:ただし、現実的には3〜5万SGD(約300万円〜500万円)が必要です
    4. 1名以上の株主:日本人や日本企業が株を100%保有することも可能です
    5. シンガポール国内の登記住所:最初は住所を借りて登記することが多いです
    6. 監査人の選定:相応の規模の会社は監査人が必要。小規模会社は免除されます

シンガポール法人の設立に際してよくある落とし穴 FAQ

日本人がシンガポールで会社を設立する際、勘違いされがちな点を「落とし穴」として5点ほど挙げます。会社設立の際の注意点として理解しておくとよいでしょう。

Q. 資本金を払ってから会社設立の手続きをすればいい?

A. 日本で会社設立をする流れとは異なり、シンガポールでは、会社設立をしてから銀行口座を開き、その後に資本金を入金する手順となります。まずは会社設立の手続きを進めましょう。

Q. ということは、資本金は後払いなので、ゆっくり支払っても問題ない?

A. そんなことは全くありません。シンガポールでの会社設立において資本金が後払いになるのは、会社設立時点で本来入金されているべきものの、実務的に口座開設ができないので待ってもらっている状況なのです。本来は口座が開設されたら、資本金を即時入金しましょう。即時入金ができなければ、会社法違反の状態であることを認識しておいてください。

Q. まずは就労ビザ(EP)を取得して、シンガポールに来られる状態にしてから会社設立をする?

A. 会社設立前にEPを取得することはできません。EPの前提となる雇用主は会社なので、会社を設立し、その会社からEPを申請する順番になります。

Q. 銀行は顧客が多いほうがいいだろうから、新たに設立された会社の口座は、積極的に開きたいと思っているのでは?

A. 全くそんな甘い世界ではありません。銀行は、本当に商売になる会社だけと付き合いたいのが本音です。資本金が少なかったり、情報をきちんと出せなかったりする会社はリスクが高いので付き合いたくないのです。したがって、設立する会社の詳細設計をする段階から、銀行が付き合いたいと思えるような建て付けにすることを意識しておく必要があります。

Q. 自分が元々経営している会社は、日本では知名度があり歴史も長い会社。シンガポール支社を設立する際も、そこまで心配する必要はないのでは?

A. シンガポールにとって日本人は外国人であり、日本は違う国です。日本では誰もが知る会社であっても、シンガポール人や政府、銀行が全く知らない可能性も大いにありえます。知名度も信用もないことを前提に、あらゆる手続きに臨む必要があると心得ておきましょう。

ここまでご紹介したように、シンガポールにおける会社手続きは大変な作業であり、専門的なノウハウも必要になるため、プロに相談しながら進めることを強くお勧めします。「日本と同じようなものだろう」と思い込まないことが重要です。日本とは法律も人も認識も違い、日本で培った知名度やブランドは通用しないことを忘れないようにしてください。

ビザ申請の流れと注意点

シンガポールへ移住するには、ビザ取得が必須となります。移住する本人は自分が設立した会社に自分を雇う形で就労ビザ(EP)を、家族は帯同家族ビザ(DP)をMOM(Ministry of Manpower:人材開発省)へ申請し、取得するのが一般的です。

なお、子供はシンガポール国内の学校に通い、学生ビザ(Student Pass)を取得する場合もありますが、条件が厳しく取得するのは狭き門であるため、稀なケースだと理解しておいてください。永住権も同様です。

就労ビザ(EP)の申請条件と手続き方法

シンガポールで仕事があり、管理職、経営者、または専門的な仕事に従事していることがEP申請の職業面での条件となります。月給は最低4,500SGD(約45万円)以上、金融業界の場合は5,000SGD(約50万円)であることが求められ、年齢が高いほど、あるいは出身大学のカテゴリが低いほど、より高い給与が必要です。通用する資格、優秀な大学の学位、専門資格、専門技能を有することも審査の可否に影響します。シンガポール政府のホームページに「SAT」という自己査定ツールがあるので、このツールで確認しておくとよいでしょう。 

なお、2023年9月からEP取得の条件が変更になり、「COMPASS(Complementarity Assessment Framework)」という制度が導入されることが決まっています。これは平等で透明性のある審査をするために、明確な基準を設けるものです。 

2023年9月以降のEPの審査は、まず学歴と年齢ごとに基準が定められている最低月給に達していることが第一条件となり、これを満たした人がCOMPASSに沿って審査されます。給与とCOMPASSという二段階の足切り審査を経たうえで、ようやく実質的な審査に臨めるのです。 

COMPASSには、ベース評価基準となる4項目+ボーナスポイントの2項目があり、EPを取得するためには、各項目のポイントの合計が40ポイントを上回らなければなりません。

シンガポールで仕事があり、管理職、経営者、または専門的な仕事に従事していることがEP申請の職業面での条件となります。月給は最低4,500SGD(約45万円)以上、金融業界の場合は5,000SGD(約50万円)であることが求められ、年齢が高いほど、あるいは出身大学のカテゴリが低いほど、より高い給与が必要です。通用する資格、優秀な大学の学位、専門資格、専門技能を有することも審査の可否に影響します。シンガポール政府のホームページに「SAT」という自己査定ツールがあるので、このツールで確認しておくとよいでしょう。 

なお、2023年9月からEP取得の条件が変更になり、「COMPASS(Complementarity Assessment Framework)」という制度が導入されることが決まっています。これは平等で透明性のある審査をするために、明確な基準を設けるものです。

2023年9月以降のEPの審査は、まず学歴と年齢ごとに基準が定められている最低月給に達していることが第一条件となり、これを満たした人がCOMPASSに沿って審査されます。給与とCOMPASSという二段階の足切り審査を経たうえで、ようやく実質的な審査に臨めるのです。

COMPASSには、ベース評価基準となる4項目+ボーナスポイントの2項目があり、EPを取得するためには、各項目のポイントの合計が40ポイントを上回らなければなりません。

  • ベース評価基準
    • 給与(専門職や管理職に当たる「Professional, Managerial, Executive and Technical(PMET)」人材のうち、同じセクターかつ同じ年齢の平均給与と比較し、上位にあれば付与)
    • 学歴(トップクラスの教育機関、もしくは学位取得者には付与)
    • 国際多様性(他のEP取得候補者と比較し、同じ国籍の人材が少ない場合に付与)
    • ローカル雇用の推進(同業他社と比較し、ローカルPMET人材の雇用割合が多い場合に付与)
  • ボーナスポイント
    • スキルボーナス(人材不足職種リストに該当する場合に付与)
    • 戦略的経済優先ボーナス(政府とのパートナーシップ企業に勤務する場合に付与)

手続き方法

本人の基本情報、雇用ポジション、給与、卒業証明、パスポートなどの情報をmyMOM PortalというサイトからMOMへ提出します。標準的な審査期間は3週間ほどで、その期間中に追加情報を求められることもあります。その場合、審査期間が延長となります。

申請費用

申請料は105SGD(約10,500円)です(2023年1月現在)。申請時にカード決済、もしくはシンガポールの口座振替サービスであるGIROで支払います。

帯同家族ビザ(DP)の申請条件と手続き方法

申請条件

EP保有者の月給が6,000SGD(約60万円)以上である配偶者、および21歳未満の未婚の子供がDPを申請できます。

手続き方法

配偶者は英文婚姻証明書、子供は英文出生証明書が必要となり、いずれもシンガポールの日本大使館で発行できます。また、子供は予防接種証明書の提出も義務付けられています。

申請費用

DPの申請料はEPと同じく、105SGD(約10,500円)です(2023年1月現在)。

EP取得のポイント

シンガポールのEPは誰でも申請すれば取得できるわけではありません。シンガポール移住に向けて会社設立をした場合は、最初の手続きを滞りなく行うのは当然のこととして、足切りをクリアできるような給与を設定し、実質審査でもアピールできる内容を綿密に準備する必要があります。追加情報の提出を求められた際には、MOMが求めている意図を推測して回答することが重要です。

MOMの審査基準は非公開であるものの、基本的なスタンスは「シンガポールという国の発展にメリットがあるか」です。設立した会社について追加情報を求められた際には、この点を意識して回答を準備する必要があります。

良い条件を勝ち取る不動産交渉のコツ

シンガポール移住にあたり、実際に移住する2〜3か月前に住宅を探し始めるのが現実的なスケジュールです。賃貸物件では入居まで1〜2ヶ月で物件情報が公開されることが多く、それより前(例えば半年前)だと内覧できる物件自体が少なくなり選択肢が限られるためです。

シンガポールではオンラインの不動産情報が充実しています。「PropertyGuru」を代表として、各種サイトには国内ほぼ全ての物件情報が掲載されているため、こうしたオンラインサイトで好みの物件を見つけてアクセスをする、もしくは不動産エージェントの紹介であたることになります。

シンガポールの不動産は、オーナー側の立場がかなり強く、また需要過多の状況です。良い物件は情報公開されてから多数の内覧が入り、あっという間に売り切れてしまうため、見た当日に契約をするか、遅くとも翌日に契約をするくらいのスピード感での意思決定が求められます。内覧に行く時点で評価基準をクリアにし、その場で判断する覚悟が必要となります。 

この厳しい争奪戦を表しているのが、「PropertyGuru」の物件情報の鮮度です。各物件の詳細ページには、物件の広さや間取りのほかに「Listed On」という項目があり、そこには「5 minutes ago」などと物件情報が公開されたタイミングが分単位で掲載されています。あっという間に売り切れるため、情報の鮮度が重要なのです。

良い物件を見つけても、交渉において強い立場にあるオーナーは自分に有利な条件を提示してくることも多いため、テナント側にも交渉の腕が問われます。自分での交渉に自信がない(例:知識がない、英語が上手くない)場面では、テナント側に立ってくれる不動産エージェントを見つけてサポートしてもらわないと、よい条件を勝ち取れません。ただ、シンガポールで良い不動産エージェントを見つけるのは簡単ではありません。能力や相性など、付き合ってみないと分からない部分も多いため、信頼できる人から紹介してもらうのが最適な方法です。

なお、物件選びにおいては契約前あるいは入居時のチェックが極めて重要になります。これは設備のメンテナンスが行き届いていないことも日常茶飯事であり、需要過多でオーナー側の立場が強い市場なので、意に介していないオーナーが多いためです。油断して表面的にきれいな物件を甘いチェックで契約してしまうと、修繕の費用や、問題への対処を自分が負担することにもなりかねません。こうした点が、日本での物件探しとは異なる点であるといえます。

シンガポールで不動産の賃貸契約をする際は、2年契約で家賃とは別途2ヶ月分の敷金(Security Deposit)が必要になり、また不動産エージェントには家賃の1か月分の仲介手数料(Agent fee)を支払うのが通例です。敷金は、問題がなければ全額返金される保証金ですが、やっかいなオーナーに当たると敷金から多額の修理代などを引かれる、あるいはこの敷金が中々返ってこないといった問題もありえます。こうした問題も不動産エージェントを介していれば対応を依頼できますが、自分で直接契約している場合には、そのリスクも自分で背負うことになるため、通常はテナント側にも不動産エージェントをつけるほうが安全です。

シンガポールでは不動産相場は日本でいうと東京都心レベルです。家賃の目安は、以下の表を参考にしてください。

立地広さ家賃の平均
都市部〜100㎡
100〜125㎡
125〜150㎡
150㎡〜
5000 SGD
7000 SGD
9000 SGD
10000 SGD〜
郊外〜100㎡
100〜125㎡
125〜150㎡
150㎡〜
3500 SGD
4200 SGD
5000 SGD
6000 SGD

ちなみにオフィス賃貸も同様の流れになります。加えて、オーナーが更に強くなるため、交渉において6か月の保証金や個人保証といったひどい条件を提示されることも少なくありません。こうした面倒を考え、シンガポールで数多くあるシェアオフィスを検討、契約することも有力な選択肢になります。

移住後の生活をスタートするためには

シンガポールへ移住し、生活し始めるまでにはまだやるべきことがあります。大きな決断となるのは、子供の学校選びと保険加入の2つです。

子供の学校選びは慎重に、本人に合う学校を探す

日本人が家族でシンガポールへ移住する場合、子供の学校としてはインターナショナルスクールを選ぶケースが多いです。他の選択肢としては、現地のローカル校と日本人学校がありますが、現地のローカル校はシンガポール国民か永住権取得者が優先入学するため滅多に入学できず、実現可能性は高く無いのが現実です。また、日本人学校は日本語で授業が行われるため、シンガポールならではの教育のメリットがあまり得られないともいえます。 

そして、インターナショナルスクールといっても、学校によって教育方針や校風はさまざまですので、実際に見学してから入学先を決めることをおすすめします。

入学できるタイミングは、セメスターの切り替わり時、もしくは定員に空きが出た際になります。半年〜1年ほど待つ場合もありますので、移住までの期間に余裕を見ておくとよいでしょう。

健康保険は、民間の医療保険へ加入

シンガポール移住後、医療を受けるための準備も必要です。シンガポールは日本と異なり国民皆保険ではなく、医療費は100%本人負担となるため、大きな医療費がかかる場合に備え、民間の医療保険に入る必要があります。

シンガポールの医療保険は、カバー範囲によって金額が異なります。多くの人が加入している医療保険は、日本の公的な健康保険とは異なり、非常に高額になる入院や高度医療をカバーするための医療保険であることが多く、通常の通院などは自己負担とされていることがあります。それでも医療保険無しでは、入院時には数百万から一千万円を超える請求が来るリスクもあるため、何らかの医療保険を購入することを強くおすすめしております。

一般的な医療保険の年間保険料は、以下の表を目安としてご覧ください。

保険の種類カバー範囲保障範囲保険料(月額)の目安
①日系の旅行保険全部
②シンガポール大手の医療保険国立病院受診にのみ適用入院時は大部屋のみ利用
③シンガポール大手の医療保険国立病院受診にのみ適用入院時は個室利用可
④シンガポール大手の医療保険プライベート病院の受診にも適用可入院時は個室利用可4,000SGD/年

シンガポールへ移住する日本人の多くは、安全を見て④の保険に加入します。保険料は高いものの、プライベート病院には日本人医師が勤務している病院もあり、日本語が伝わる医師に診察してもらうことができるためです。病気や怪我で弱っているときに、不慣れな言葉や不十分なサービスでは落ち着いて治療に専念することもできません。可能であればある程度カバー範囲の大きい医療保険を購入されることがおすすめです。 

その他にも、シンガポールへ移住するにあたっては、日本に残す不動産やシンガポールでの資産運用など資産管理の方針を決めたり、シンガポールでの運転免許証の取得、移住後の連絡手段として携帯のSIMカードとSIMフリーの携帯電話端末を用意するなど、大小さまざまなタスクがあります。そのため、会社設立やビザ申請など、プロに任せられる手続きはプロの手を借りながらシンガポール移住に向けた準備を進めることをおすすめします。