シンガポールでの会社設立をすることで大きなメリットが得られます。税率が安く、法人、個人、多くの場合で10-20%税負担が下がる。東南アジアのへそであるシンガポールから、安全に海外事業の統括ができ、アクセスも良い。資金やモノの貿易のためのインフラが整っており、スムーズかつリーズナブルなコストで事業運営ができる。上げればキリがありません。
そこで気になるのは、多くのクライアントからも聞かれた質問、「会社設立でどのような費用を負担しないといけないのか?」です。シンガポール法人のメリットを享受するために、会社を設立したい、しかし何がどれくらいかかるかわからない。そんな疑問に答えるため、設立に際しての費用項目を挙げてみました。また、当社の場合の参考費用についても少し触れています。法人設立の費用見積もりの参考になりましたら幸いです。
0.会社の資本金
これは正確にいうと費用ではありません。簡単にいうと、会社の資金の出し手である株主が、お金を出資して「会社のお金」とし、銀行に入金するものが「資本金」となります。従い資本金は会社の持ち物になり、そのお金から会社の経営上必要な経費を支払うことができます。例えば、取締役へのサラリーや、会社維持運営に関わる費用全般です。資本金というのは株主のお金が会社のお金へと持ち主が変わっただけで、事業で使えるお金というニュアンスではかわりは無いとも言えます。ただ、株主(法人オーナー)の目から見ると、準備が必要な資金になりますのでここに含め挙げています。
資本金については、シンガポールの会社法では1シンガポールドル以上であること、となっています。つまり、最低1ドルです。もちろん、実際にビジネスを進めていく、会社を経営していく上では1ドルでは成立しません。また、銀行も1ドルしかお金を持っていない会社に口座を開けてくれるケースは稀です。そのため、おおよそ1年間の必要資金くらいは資本金として出資するのが通例です。目安として、最低でも50,000ドル程度をお勧めしています。
1.会社設立そのものにかかる費用
1)政府への支払い費用(日本で言う収入印紙や登録免許
シンガポールの場合、会社名の仮登記と会社設立の本登記をあわせ、$315となります。会社名の仮登記では、すでに使われている社名や類似社名、使用不可の言葉が入っていないかのチェックを経ます。そのため、時折社名が却下されることがあり、その場合は再申請の費用がかかります。
2)セクレタリーファームへの支払い費用(会社設立手数料)
セクレタリー・ファームは、「会計事務所と司法書士事務所がくっついた業態」で、会社設立の他、会計、税務、登記や各種議事録の作成・管理を行います(当社もセクレタリー・ファームです)。会社設立はセクレタリー・ファームや法律事務所に依頼をして行うため、その事務手数料がかかります。
政府からの要請で、セクレタリー・ファームには株主、取締役、会社内容のチェックが義務付けられています。会社設立の単純な事務作業に加えて、こうしたチェック、各書類が正しく作成され、中身に問題が無いか指導する役目も担っています。
2.会社設立の必須要件を満たすためにかかる費用
会社を設立するためには、諸々の要件を充足する必要があります。この要件を満たすための費用は大きくは以下の3点になります。(要件そのものの詳細は「シンガポールにおける会社設立の要件」をご確認下さい)
1)ローカルダイレクター(現地取締役)名義貸契約
シンガポールの会社には、最低1名のローカルダイレクターが必要です。会社設立時点でローカルダイレクターになれるのは、シンガポール人とシンガポール永住権保有者のみです。このローカルダイレクターが自社にいない場合、会計事務所や法律事務所の代表者が名義を貸すのが通例です。この名義貸し契約にかかる費用があります。
2)登記住所の確保
シンガポール法人は、必ずシンガポール国内に登記住所を持たねばなりません。オフィスを持つ場合はその家賃がかかり、オフィスを持たずに会社を設立する場合は登記上の住所を借りる必要があります。これも会計事務所や法律事務所で借りることが多いです。登記住所は、政府からのレターや銀行からの明細送付などの宛先になります。この登記住所貸し契約も必要費用になります。
3)セクレタリー(会社秘書役)契約
会社を設立すると諸々の議事録や登記をする必要が生じますが、こうした手続を行うのがセクレタリーとなります。ほとんどの場合で、会社設立を担当する会計事務所/セクレタリーファームがそのままセクレタリーとして就任します。
4.当社で会社設立をお手伝いする場合の費用
当社の場合、会社設立の要件全てを満たす「会社設立パッケージ」をご提供しております。一言で言うと、上記の1~3全てをひっくるめた形にしてサービスを提供しています。この会社設立パッケージは、$9200ドル(1SGD=100JPYとすると、約92万円)となります。別途、$4000ドルの名義貸し保証金をお預かりします。これは名義貸し取締役の退任時に全額お返しします。
このパッケージを作り、ご提供している理由は、はじめから費用を明らかにして、安心して会社設立をして頂きたい、と考えたからです。ちらほらと聞く不満は、「当初は言われていなかったのに、後から追加費用を請求された」というものです。シンガポールの会社設立となると、普通は全ての要件や手続きをご存知の方は極めて少ないと言えます。そんな状況で、手続きを初めてから追加費用が発生するということは”騙し討ち”にほかならないと考えております。
当社の会社設立パッケージでは、会社設立の完了まで追加費用が発生することは一切ありません。設立準備のサポートから、資本金額など会社設計へのアドバイス、設立そのもの、要件充足(取締役名義貸し、登記住所貸し、セクレタリー契約)、全てコミコミです。シンガポールで法人の設立をお考えの場合はぜひご検討下さい。シンガポール会社設立パッケージの詳細はこちらから
5.会社設立直後に発生する可能性のある費用
会社や事業の内容によっては、法人の設立後、すぐに着手すべきことがあります。以下はその例です。
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- Employment Passなどのビザの申請:日本人を送り込んで事業を立ち上げる場合、ビザが必要になります。シンガポールの場合、Employment Pass(就労ビザ)が一般的です。この申請費用が必要となります。
- ライセンス取得:例えば飲食業や人材紹介業など、規制業種においてはライセンスを取得する必要があります。こうした規制の調査、ライセンスの申請にも費用がかかります。調査、ライセンス申請ともに、複雑性により費用は変わります。
最後に
こうした設立に関する費用を鑑みても、大きなメリットが得られるのがシンガポールの法人です。上手く活用する策を考え、トータルで得られるメリットを算定、費用と比較をした上で会社設立へと進むのがおすすめです。シンガポール法人を使って、皆様のビジネスが一層成長されるよう願っております!
★ 当社シンガ・カンパニー・サービスでは、会社設立のご相談から法人登記後の銀行口座開設までを包括的にサポートする「シンガポール会社設立パッケージ」をご提供しております。会社設立・会計・税務の豊富な専門知識と、現地に張り巡らせたネットワークにより収集可能なリアルタイムの現地情報が当社の強みです。シンガポールでの法人設立手続きや費用についてご不明な点がございましたら、まずはお気軽にお問い合わせください。